武術創造 DIY・AI研究所
武術創造 DIY・AI研究所 BUJUTSU-CREATION-DIY-AI LAB

第3話

「倉庫」から始まった、私のホームレス生活

さて、話の続きです。最初の新聞販売店での搾取に嫌気がさした私は、別の会社へ移ることにしました。 具体的な名前は伏せますが、夕刊のない、朝刊だけの新聞社系です。「ここなら自分の時間が取れる、やり直せる」……そう信じてアポを取り、引っ越しの手配も済ませました。

ところが、埼玉の受け入れ先に到着した瞬間、耳を疑うような言葉が飛んできたんです。

「え? 寮の手配? 聞いてないよ。受け入れの連絡も来てないけど」

いやいや、勘弁してくださいよと。こっちは家を引き払って、冷蔵庫から何から、フルセットの家財道具をトラックに積んでここまで来てるんです。今さら「手配ミスでした」で済む話じゃない。

「部屋はない。あるのは倉庫だけだ。……そこに荷物と一緒にいろ」

結局、行き場のない私と大量の荷物は、販売所の隅っこにある「倉庫」に押し込められることになりました。 部屋じゃありません、ただの倉庫です。

時期は真冬。東京から埼玉にかけての、あの刺すような冷え込み。 倉庫ですから、当然のように隙間風が吹き抜けていく。暖房なんて夢のまた夢。照明は申し訳程度に薄暗い電球がつくだけ。

水道もない。ガスもない。インフラというものが一切存在しない空間。 そこに、私が持ってきた冷蔵庫や家財道具が、電気も通らぬまま虚しく並んでいる。

「ホテルにでも泊まればいいじゃないか」と思うかもしれませんが、そんな金があるなら苦労はしません。 選択肢なんて最初からなかったんです。

暗くて寒い倉庫の中で、自分の荷物に囲まれながら震えて眠る。 1週間が過ぎ、2週間が過ぎ……。 国立大学を中退して「すごい世界」を夢見て東京へ出てきた若造の現実は、ただのホームレスへと成り下がっていました。

この「インフラ皆無の生活」が、私の体に何を刻み込んだのか。 次回、その極限状態での気づきについてお話しします。