怒号と人情の現場:私が「段取り」を叩き込まれた日々
土建の現場で働き始めて、まず直面したのは、それまでの「学生生活」ではありえないほど濃縮された人間模様でした。
ぶっちゃけて言います。大学や専門学校にいた連中と比べれば、人格的に「どうなんだ」と思うような人は確かに多かったです。今の時代なら一発でアウトなパワハラも日常茶飯事。「トロトロしてんじゃねえぞボケ!」「お前は遅いんだよ!」なんて言葉が、挨拶がわりに飛んできました。
でも、それが全てかと言えば、そうじゃない。 一概には言えないんですよ。私が今まで出会った中で、一番お世話になり、今でも心から感謝しているのは、実はこの業界の人たちなんです。
こっぴどく怒られたり、馬鹿にされたりもしました。でも、その厳しい指導のおかげで、「仕事における準備」がいかに大切かという、職人としての基本が骨の髄まで染み込みました。
今は少し厳しくすれば「パワハラ」と言われる時代です。確かに理不尽な暴力は肯定しませんが、一方で、全く厳しさがなくなった世界で本当に人が育つのか、という疑問は正直あります。あのヒリヒリした現場の空気感が、私という「職人」を形作ったのは間違いありませんから。
不人気な業界、荒っぽい人間関係。それでも、そこには確かに「人情」があった。 だからこそ、私は今でもこの業界を捨てたくないし、そこで培った「技術で生きる」という誇りを持ち続けたいと思っているんです。
理屈じゃないんです。体が覚えるまで叩き込まれる。 その経験が、後に私が手にする「電気・設備」の資格や、DIYの技術、さらには武術の境地にまで繋がっていくことになります。
泥にまみれて働き、ようやく社会の一員としての実感を掴みかけた私ですが、人生の荒波はこれで終わりではありませんでした。 次は、真面目に働き始めた私を襲った「会社の倒産」と、そこからの大逆転についてお話ししましょう。
